2009/10/23 ドイツ整形外科学会の中で日独整形外科学会が開かれる [平日]

8:15 ホテルフロント前にて集合。日本からの集団でバスをチャーターしてくれている。この学会は、実にいろいろと手配してくれているのだ。お陰でかなり楽をさせてもらいました。外はあいにく小雨がぱらついている。
8:40 学会会場であるメッセベルリンに到着。非常に広い。建物は少し古い感じもするが幕張メッセよりも大きいと思われる。でも会場に比較して入り口は小さく解りづらかった。
ドイツ整形外科学会入口.jpg
我々は事前に登録を済ませてあった(すでに学会参加証が送られてきていた)ので、受付は素通りして参加証をぶら下げて中に入って行く。するといきなり展示場が延々と続いている。かなりたくさんのブースを通り過ぎてから、各会場に行くという構造になっている。この学会は各ブースの展示の方が重きを占めているのではないかという程である。
9:10 15分程歩いてようやく日独整形外科学会会場に到着。横に広い感じの独特な造りになっていた。80人程度は座れるだろうか?大方それ位の規模である。みな順番にPCに本日の発表スライドをコピーしていく。若いドイツの青年が担当してくれていた。
9:30 学会が開催された。ドイツの学会でありながら、8割以上が日本人という何となく違和感のある雰囲気。しかも使用言語が英語という不思議な学会である。 始めのセッションは人工関節の長期成績という内容だった。ドイツ側からも3題ほど出されていたが、ドイツ側代表の何人かの重鎮の先生の施設からだ。たまにはいろいろと他分野の演題を聞いてみるのも新鮮で面白い。
10:50 休憩。だいたいこちらの学会は休憩が長いのが特徴で軽食が振る舞われる。知人との語らいの時間として有効に利用しているようだ。私は展示場を少しずつ回っていた(何しろかなり広いので下手に動き回ると戻って来られなくなってしまいそうなのだ)。
11:30 多くの企業が出店している中で大きさと集客力で群を抜いていたのが、Depuy社だった。ここは、ベルリン名物Curryburustを無料で振舞っていたのだ。ブースに休憩所があり、ドクター達が飲み食いしながら語らっている。しかし、あまり展示内容には興味なさそうだった。他にはカクテルやビールを出しているブースもあり、ここら辺はドイツならではという感じ。今回、AO fellowshipの際に事務局になってくれていたSynthesのブースも比較的大きかった。ここはしっかり商品説明にも力を入れていた。新しかったのは、肋骨骨折用のインプラント(救急医療の分野では多発外傷に伴う多発肋骨骨折に対しては、早期に骨接合を行うことで疼痛管理、呼吸器合併症が減るという発表なども増えている)である。ロッキングに加えて、片側は平たい髄内釘のようになり、肋骨髄内に差し込むようになっていた。また興味深かったのは、Armyの医療支援で使用する特設手術室の展示である。室内は普通の手術室と遜色ないほどの造りになっている。軍服姿の担当者が格好良かった。
お世話になったSynthes社前.jpgArmy特設手術室展示.jpg特設手術室内.jpg
12:30 日独整形外科学会の方に戻ると(このセッションは聴講しなかった)、ちょうど昼休憩に入る所だった。会場外に食事が準備されていたので頂いた(ちょっと味の濃いポタージュスープやウィンナー、サンドウィッチ類など)。日本側の参加者たちと挨拶をしたりする。こういう時に名刺は便利である(今回留学前に自宅で作成した)。国内では敷居の高そうなビッグネームの先生方とも、異国の地では比較的気軽に話せるようになるから不思議なものである。さて、まだ時間に余裕もあるため、展示場をくまなく回ってみよう。展示場巡りの一つの理由として、新たなマテリアル、インプラント類の発掘がある。しかしいくら回っても吸収性のプレートにはお目にかかれなかった(香港のSICOTの時は見つけられたのだが)。しかし新しい骨補填材料に関しては、多くのメーカーが各種アピールしていた。また、こちらではalograftも良質なものが提供できるようである。Depuy以外でもCurryburstを振る舞っているブースがあった(申し訳ないが現地のメーカーで何を扱っていたのかも覚えていない)。イイ匂いにつられて行列に並んで食べてしまった。他もぶらついてみると、救急ヘリのブースもあるのには驚いた。
救急ヘリブース.jpg
14:30 午後のセッションが始まった。今度は脊椎である。日本でもそうだが、人工関節・脊椎はどこの学会でも内容豊富で盛況だ。しかし外傷や手の外科というのはたいがいこのような規模の会だとその他になってしまう。日本人でドイツ語の上手な先生も何人かおられ、ドイツ語で発表されていた。ただ、時間にはルーズな人も多く、しっかり時間を守っている人の方が少ない感じだった。
16:00 休憩時間。あるブースでは、若いモデルの女性を下着姿にさせいわゆる柔道整復や按摩のような施術をしていた。見学者の中にはモデルを見ているのか手技を見ているのか解らない者もいる!?(でも見ている人は少なく意外と人気ない)。すると、前方よりHiユキチ!と言ってくる人がいる。BGのtraumaの若手先生だった。ちょっとでも一緒に働いたことがあるから、こういう場で会うと妙に嬉しい。
16:30 最後のその他セッションが始まる。口演5分、討論殆どなしという感じで進んで行く。非常にtightなスケジュールになってしまっている(ポスターではなく、全ての演題を口演で採用したためこのようになったとのこと)。
17:15 予定より10分位遅れて自分の口演開始。2回ほぼ同様の内容で発表したことのある内容だったので、それ程緊張はなかった。質問は座長から1つとフロアから1つのみだった。何とか終わってくれてホッとする。
日独整形外科学会口演.jpg
この後、PCの入れ替えで時間がロスしたり、発表時間を守らないなどの影響もあり、予定より30分程度遅れて終了となった。
18:30 歩いて15分くらいかかる入口に到着。バスが外で待ってくれている。雨は幸い止んでくれていた。外はもう真っ暗になっている。
18:50 ホテルに到着。これから昨日に引き続き懇親会が催されることになっているので、荷物を置いて急いで準備する。またバスで送ってくれる。至れり尽くせりだ。
19:40 パーティー会場に到着。日本ではまずないであろうコンセプトのレストランだった。何とレストラン横に大きなガレージが併設されており、クラシックカーが展示されている。これらには値札がついているので、気にいったら購入することができるようだ。残念ながら車にそれ程詳しくないので、どの程度価値があるのかは解らなかったが凄かった。
レストラン併設ガレージのクラシックカー.jpg
20:00 パーティー開始。今日もコース料理のようだ。飲み物もワイン・ビールとどんどん出てくる。兵庫の田中先生夫妻、神戸の謝先生夫妻などと同席させて頂き、先生方の懐かしいドイツ留学話を興味深く聞かせてもらった。当時は東西分裂時代でもあり、飛行機もアンカレッジ経由だったり、今のようにインターネットや携帯もない時代だったので情報収集が大変だったことなど苦労話も聞くことが出来た。
田中・謝夫妻とともに.jpg聖マリア病院吉田先生と.jpgドイツ側代表Scholz教授と.jpg
21:00 jet lagで眠くなってしまう方もいたが(特に奥様方など)、宴もたけなわになる。多くの方々と情報交換も出来たので有意義な食事会だった。
22:30 バスでホテルに戻る。今日も結構ほろ酔い気分である(昨日より)。留学も発表も終わってしまったのでホッとしていたのかも知れない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。