2009/9/21 なぜかドイツでフットサルを・・・ [平日]

6:30 起床。どうもいつもの癖でギリギリまで寝ていたいという欲求が勝ってしまい、起きるのが遅くなってくる。
7:15 新しい白衣に着替えて(汚れたら何着でも替えてくれる)病院に向かう。
7:30 1週間の始まりの朝のカンファレンス開始。教授が入ってきた。今日はNusche先生はいないようだ。また女医さん達の姿も見当たらない。みな休暇なのだろうか?さて週末の症例呈示が始まった。土曜に激しい前腕~手部外傷が搬送されてきている。Trauma teamが前腕の粉砕骨折に対して創外固定を施し、HPRV teamで軟部組織欠損の初期治療を行ったようだ。それ程深くはないが伸筋腱が露出しているので、今後二期的再建が必要になるであろう。薄いflapであれば側頭筋膜弁+植皮がbetterなのか?と一人想像してみる。他には金曜日の腹部の激しいデブリの症例が呈示されると、一同、どうしたもんかとため息交じりに議論し始めている。広背筋皮弁は?みたいな会話が飛び交っているが、手術に入らせてもらって内部を見てみたが、吻合血管を同定するのも難しそうだ。さてどうなるのだろうか?次々と合計7-8例の症例呈示が終了し、そのまま教授回診へと流れて行った。
8:10 恒例の月曜教授総回診である。この時間は他のteamも手術は入れておらず、月曜朝の手術開始は全体的に遅くなっているということに最近気付いた。やはり月曜朝というのは1週間の始まりなので、このようなある意味伝統的な儀式的回診をしているのかも知れない。教授は一般診療にはあまりしゃしゃり出てこないので、この場で全体を把握しているのであろう。何人か自分が関わった術後患者が気になっていた。大腿部に採皮したALT flap術後の方は殆ど綺麗に生着してくれていた。色素沈着もそれ程ないので目立ちにくい。白人は傷が比較的目立ちにくいのかも知れないと思った。Lotter医師(サッカー好き)が時に患者の解説をしてくれるので助かる。回診中はなかなか質問できる雰囲気ではないからだ。そうこうして2病棟全ての患者をcheckして回った。
9:10 軽くCasinoで朝食を摂った後、手術室に向かう。今日も2列平行に進行している(幸いseptic区画とambulantz区画なので、着替えせずに移動可能なので助かる)。1例目はRAによる示指MP関節破壊(滑膜増生強い)に対するsynovectomy+関節形成であった。もう大方終了していた。執刀はWerdin医師。関節形成は少し関節軟骨を削ったのみで、あまりいじっていないみたい。ギプスシーネ固定を施し終了となった。
9:45 他の手術室では変形性手関節症(外傷後)に対する関節固定+自家骨移植を開始している。執刀はLotter医師でPhau医師が指導している。背側から伸筋支帯をstep cutしている。日本と同じ手法だ。採骨をしておいてあげられれば時間の節約になるのだろうが、ここは自分の庭ではないので出しゃばらないように注意する。次の手術がそろそろ始まる頃なので部屋を移動した(*最終的にはplateを用いて関節固定していた)。
10:00 2例目は多発外傷後の症例(骨盤骨折もあり)で当科では月状骨周囲脱臼に対して観血的整復固定(鋼線刺入)を行っていたのだが、その鋼線が折損したので抜去するという(鋼線が径0.9mm?と細いし、SL間は1本でしか固定していなかったためだと思う)。Rahmanianはレントゲンを見るなり、おもむろに皮切して展開し出した。皮膚上からは触れなかったが、ほぼ良い位置に的中している。解剖がしっかり頭に入っている証拠である。ここら辺の経験などはなかなか大したものだ。月状骨間に埋まっている残存K-wireはそのままとして(途中で教授にTELで確認を入れていた)難なく終了。
11:00 3例目開始まで少し間が空いた。Ambulantzの前室は術前後の患者待機に用いているのだが、ここには雑誌がいっぱい置いてあるので時にぱらぱら見させてもらっている。ドイツ人は車がお好きなようで各種車雑誌が置いてある。日本車の紹介も結構されている(少し驚いたが意外とヨーロッパではマツダ車も人気があるよう)。同クラス車の徹底比較(性能・価格・快適性など)何かの特集が盛んだ。ついつい時間を忘れて眺めてしまっていた。
11:20 すでに搬入され準備しているようだ。執刀のWerdin医師が現れていないので、ベテラン看護師(スザンナ:いわゆる手術室の肝とも言える看護師。彼女に対して多くの医師が信頼を寄せている。お~い、スザ~ナ?あれはどこだっけ?この使い方はどうするんだっかな?シーネあてておいてチョウダイ。みたいに・・・)に教えてもらいつつ、一人でsettingしておいてあげた。大方準備出来た頃に彼が現れた。手術はキーンベック病術後(STT関節固定を行っていた!?)の鋼線抜去である。こういう簡単な手術には何故か学生が現れない。ちゃっかりしているのか?こんなのはユーキチに任せておけば!とでも思っているのか?どこかで休息を取っているに違いない。手術はものの10分程度で終了した。
12:00 RahmanianがICUで何やら電話しまくっている。金曜日の腹部デブリの患者の管理に追われているようだ。腹部外科に連絡を取ったりして忙しそうだ。ここら辺の管理も面白くて、執刀したPhau医師ではなくICU担当の彼が術後管理をしているのである。見事に役割が分担されている。連携が良くなければなかなかできないだろう。
12:20 ちょと落ち着いたようなので一緒に昼食をとる。今日はハンバーグ+マカロニだ。サラダにトマトも加えて色合いを良くしてみたりする。
マカロニとハンバーグ.jpg
13:00 今日は手術も少なくゆっくりできそうだ。こういう日もあって良いだろう。今週中にShaller教授にtrauma team研修の件をそろそろ打診してみようと思う。
14:00 まだ手術が残っていたようである。母指CM関節症に対する関節形成術である。Welling医師が執刀しRahmanianが指導、私がassisitする形になった。術式はEpin?法とか言っていた。CM関節症のXp程度はそれ程強くない(Eaton Ⅱ°くらい)ので固定はないだろう。実際は大菱形骨をpiece by pieceに切除し、FCRLのhalf slipを第1中手骨基部に固定し、腱を縫合(interlacing sutureはしなかった)していた。ここではだいたいこの術式で行っているとのこと。もっとsevereだったら固定するかもと言っていた。
15:00 閉創前にはいつもの如くRahmanianは手を下して出て行った。
15:30 夕方のカンファレンス開始。患者は1人しか来なかったのであっさりしていた。カンファ後にみんなで何やら話し込み出した。どうやら本日夕方からサッカーをすることになったらしい。HPRVのメンバーは殆どが参加する(学生2人まで)らしいので、断ることはできなかった。。。。何となくヤバい。
16:00 17:30頃から始めるから現地集合でみたいな感じになって別れた。足のない私は、Apel医師にくっついて行かせてもらうことになった。彼はまだ外来患者が1人残っているとのことなので外来見学に一緒に付いていった。
17:00 結局、1時間近く一人の患者に費やした。いつもこんなに時間をかけるのか?と尋ねると今日は時間がかかったと。普通は20分くらいかかることのこと(紹介が殆どでその返事やら場合によっては手術の説明などもする。当然、すぐ終了する症例もあるようだけど)。解らないことがあるとconsultant医師をPHSで呼び出して意見を聞き、治療方針を決めているようだ。だからちょっと時間がかかるのだろう。
17:20 急いで部屋に戻り、簡単に準備(サッカーウェア何て持ってきていないし・・)して、Apel医師と学生のGonser君とコートに向かう。彼の車はトヨタのイーリスだった。これは小回りも利くし、燃費もいいからねと自慢していた。ドイツでは日本車は燃費が良くて小回りが利く車種の人気が高いようである。コートを借りたり、色々とorganizeしてくれているLotter医師に途中で場所を電話(ここではIphoneが流行っているようで、結構みんな持っている)確認して10分程度で到着した。
17:40 もう既にPhau医師やLotter医師、顔面口腔外科の先生などが先に到着していた。奥さん子供たちとともに来ている先生もいる。結局総勢12名も集まった(Schaller教授、Nusche先生の上2人と当番のStahl先生以外の男性医師・学生が集合)。4人ずつ3チームとなり、10分程度の小ゲームを延々と繰り返していく。途中、実力の均衡化を図ってなのかメンバー替えを何度か行う。自分は始めはフィールドで出ていたが、開始5分くらいで既にへたばってしまった。
フットサルに興じるドクターズ.jpgばててるRahmanian.jpg水をがぶ飲みApel君.jpg
18:30 パンやチーズ・ハム(たぶんCasinoから誰かがゲットしてきている)、ビール(ちょっとアルコール低めの甘い奴だったけど)、水など飲食物は充実している。みんなバテながらも元気である。ビールを飲みながらプレーしているのには驚く。Phau医師は院内ではクールだが、必死にボールを追い回し、時にスライディングし膝にかすり傷を作ったりしている。まるで子供のようにみんながそれぞれ楽しんでいる。途中でWerdin医師のご発声で乾杯(HPRVの今後の発展を祝して・・みたいなことを言っている。日本と同じ感じだ)して、全員でコートで記念撮影をした。
19:00 まだ終わりではなかった。。。フットサルコートは四方が壁で囲まれており、普通のサッカーと違い壁プレーなるものが存在して、この壁の跳ね返りをうまく利用して行うのがポイントである。フルコートでないからとタカをくくっていたが、結構動き回る!!古傷の左脚(膝PCL損傷と足外側側副靭帯損傷)が徐々に悲鳴をあげてきた。後半は主にゴールキーパーを買って出ることにした。途中、Phau医師、Lotter医師など家族連れの先生方は帰ったが、まだ明るいのでもう少しやろう!ということになり、重い体にムチを打つのだった。プレー中、日本語を使うのが今日の流行りだったみたいで、「カローシ」「サムライ」「アリガトー」「オツカレサマ」「ヨクヤッタ」などを連発していた。
20:00 さすがに暗くなってきたので帰ることになった。完全に膝が笑っている。明日は筋肉痛間違いなしだ。幸い大きな怪我はしなくて済んで良かった。ドイツでアキレス腱でも切ったら笑いごとではすまないから。。
20:30 Apel医師に病院まで送ってもらった。去り際に記念写真を撮ってくれた学生君に明日写真をくれるように頼んで別れた。いつもは何てことない病院の坂道が今日はとてもきつく感じる。
21:00 早速、風呂に湯を入れてゆっくりマッサージしながら浸かる。Lotter医師がTシャツを忘れて帰ってしまっていたので持ち帰って親切にも洗ってあげた。明日までに乾けば渡してあげよう。
22:30 ちょっと動けなくなり、ベットで横になってテレビを眺める。
23:00 お腹が空いてきたので、遅い夕食とした。今日はカレーライスにしよう。旨かった。
24:30頃 疲れた一日であった。いつの間にか就寝。
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