2009/10/17 バーデン・バーデンにて研究会参加 [休日]

9:25 部屋にSunderが呼びに来た。今日はtrauma teamのNo.2(medical techniche developmentというセクションの教授だった)のProf. Hoentzsch先生がバーデン・バーデンというヨーロッパ屈指の由緒ある温泉保養地で開催される、南西ドイツ地区の災害外科研究会(BG労災病院を中心とした研修・講演会のような雰囲気)に連れて行ってくれるということになっていたのだ。
9:30 Sunderとともにスーツ姿で病院急患受付前にて待機する。本日はあいにくの雨模様で気温も低い。外で待つのは寒いので中で暫く待っていた。
9:40 Hoentzsch(ヘンチと読む)教授がベンツのワゴン車でお迎えにやって来られた。実はこの方は私が白髪のOberartztと評し、窓際族ではないか?と思っていた人の1人である。大変失礼なことを言ってしまった。徐々に話しかけてくれるようになって、実に面倒見の良いいい先生なのでありました。
10:10 教授が市内のパン屋で買ってきてくれたBrezel(粒塩が若干まぶしてある独特の風味のあるドイツの名物パン)を食べながら、色々と話合っていた。この病院は、日本からのfellowshipはあまり来ないらしいけど、インドからは多いのだそうだ。5年程前にソーイチ・マエカワが日本から研修に来ていたのを覚えているよと。私も名前は存じております。。彼はヘリコプターに興味があったな~。そうですか?実は私も興味はあったのですが、もう来週半ばで研修は終わってしまうのです。残念ながらヘリ救急はあまり経験できませんでした。来週ベルリンで開かれるドイツ整形外科学会にはtrauma teamからはかなり参加者がいるとのことである。また、ベルリンでもお会いできそうですね。
11:00 途中標高900m程の山道を通ったのだが、途中からは雪景色が広がっていた。さながら冬模様である。私は何となく針葉樹林帯で日本の東北・北海道地域に似ている景色だなと思って見ていたのだが、どうもSunderの様子がおかしい。何だか興奮しているのである。それはそのハズであった。彼は生まれて初めて雪というものをナマで見たというのだから。それを知った優しい教授は何度となく車を停めてくれたので、彼に写真を撮ってあげたりした。雪を丸めてかじっていたのには笑えた。確かにインドやオマーンではお目にかかれないシロモノだからな~。と彼の雪初体験を祝福してあげずにはいられなかったので、雪の塊を彼にぶつけてあげたら、ちょっと困った反応をしていた。大のおっさん達がはしゃぎ過ぎであった。
雪玉を投げるヘンチ教授.jpg雪を珍しがるSunder.jpgモミの木?の下にて.jpg
12:10 寄り道をしながら、バーデン・バーデン市内に入ってきた。標高はそれ程高くないので雪もなく、山あいに比べれば寒くもない。雨も止んでいる。観光地らしく多くの人々が市内でウロウロしていた。市内中心にある地下駐車場に車を停め、学会会場を目指す。
12:30 学会場(バーデン・バーデンクアハウスという保養施設のような立派な建物内)に到着。教授の講演は16時からのセッションということだったが、学会の終わる18時まで自由時間だから、どこかに遊びに行ってもいいよ。と言ってくれていた。ドイツ語だから先生たちにはあまり面白くないかも知れないからと。
12:50 しかしこの研究会は無料だったので、せっかく来たのだから雰囲気だけでも味わおうと、Sunderとともに展示場(あまり大きくはなかった)や講演会場を覗いてみた。本日のプログラムやらを受け取り会場内でウロウロしていると、BG trauma teamの大柄の女医さん(Wermter医師)に遭った。彼女は朝から参加しているとのこと。ひとり車で来たそうだ。今から昼休憩だと言うので、3人で昼食を取りに行こう!ということになる。
13:10 会場近くのホテルのレストラン(比較的高級感漂う)に入ることにした。川沿いにあってなかなか雰囲気が良く、係の女性も美人で感じがよろしい。値段は少々張ってしまったが楽しかった。彼女は昼からビールのソーダ割りみたいなものを頼んでいた。Sunderはいつも通りノンアルコールだ。私も見習ってリンゴジュースにした。オーダーしたチキンのソテーはドイツっぽい味であった。彼女は好奇心旺盛なので、日本やインド・オマーンのことを色々と聞いてくる。女性医師の割合はどの国も増加傾向であること。産婦人科(何とオマーンでは女性しか産婦人科医にはなれないのだそう・・)や小児科に女医の比率が多いこと。日本では産業医にも女性の割合が多いこと(ドイツでも産業医はいるがまだ少ない。インドでも最近ようやく認知されてきたくらいだそうで、まだ一般的ではないらしい)。
ホテルレストランにて.jpg
14:00 彼女は昼からの講演を聞きに行くということで帰って行った。我々は、まずはインフォメーションセンターに向かってみた。そこにはトリンクハレという飲用の温泉水があったのだが、その場では有料と思って試さなかったが、あとで調べてみるとカップのみ有料で飲むのは無料だったのを知ったので残念だった。その建物はレジデンツ風になっており、廊下はコリント風の柱に囲まれた壁画(フレスコ画)が描かれていて、見どころにもなっている。その一帯は蚤の市のようになっており、たくさんの小道具などが並んでいた。
トリンクハレ.jpg壁画の描かれた回廊にて蚤の市.jpg
14:30 学会主催のシティツアーのようなものがあるそうなので、それに参加しようと思い尋ねてみたのだが、天候不良なのか?人数に達してしまっていたのか?不明であるが、何故か断られた(怪しい東洋人2人だったからかも知れない)。
14:50 仕方なく街をぶらついていると、ちょうど街を50分程度でぐるりと周遊してくれるバスが停まっていたので、躊躇わず乗り込んだ(1人5Eur)。ちんちん電車のような風情で所々の見どころをガイドしてくれる(ドイツ語)。隣に座っていた深みのある皺くちゃ顔の綺麗なおばあちゃんが、何故か途中から英語で説明してくれ始めた。このおばあちゃんはN.Y.在住だそうで(道理で英語が達者なのだ)、何だか妙に親しげだと思ったら、孫が日本で働いていたそうで何度も日本に行ったことがあるのよ。とか言っている。80歳は越えていそうだったが1人で乗っていた。湯治にでも来ていたのだろうか?Sunderが2人の写真を撮ってくれようとしたのだが、恥ずかしがって撮らせてくれなかった。残念。
ちんちんバスにて市内周遊.jpg
15:40 坂道を高台まで上がり、一通り市内観光を終えて再び市内中心に戻ってきた。教授の講演まではまだ少し時間があったので、歩いてもう暫く市内を見回った。ちょっとクリスマスっぽい食器の綺麗な店などもあったが、買っても持ち帰れなそうなので諦める。
16:00 学会場に戻る。肘関節外傷に対する治療方針についてのセッションであった。5つの口演の後に総合討議のような形のシンポジウムである。テュービンゲンBGからは、Hoentzsch教授とRether先生(この先生も私が始め白髪のOberarztと評して、怪しいと言っていた人と思う。。。と言うのも、今日は髭をばっさり切っていてまるで別人のようにシャキッとしているので)が発表をしている。この2人とも偉い人だったのである。無知というのは怖いものだと思ってしまう。知らないことをいいことに言いたいことを言ってしまった。Hoentzsch教授は、肘関節の脱臼骨折に対する創外固定を用いた手術術式についてビデオを用いつつ発表していた。Rether先生は、肘関節周囲骨折に対するtwo stage operationについてであった。全体的には何となく理解できた感じはあったが、突っ込んだ内容までは残念ながら理解できていない。
討論するヘンチ教授とレダー先生.jpg
18:00 講演終了となり、BGから来ていたProf. Weiseや先日思いがけず遭遇したProf. Wellerにもまたお会いして挨拶した。講演を無事終えられたお二人にも挨拶をして(記念撮影も)会場を後にする。
Prof. Weiseとともに.jpg
18:30 帰りもHoentzsch教授の車で送ってもらう。山道は雪が積もってしまっているかも知れないので、遠回りにはなるがアウトバーンで(時間的には早い)帰ることとなる。噂のドイツの本物のアウトバーン(片側4車線の区間)では、何と最高220-230km/hrのスピードが出ていた。先生は結構飛ばす方のようだ。またベンツの加速は凄かった。
20:00 帰りは外も暗くなってしまい景色を楽しむ余裕はなかったが、結構早く到着した。今日は送り迎えから観光までさせてもらい有意義な一日であった。先生を窓際族なんて思ってしまったことを改めて反省する。
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