2009/10/5 Trauma teamとのコラボ手術 [平日]

6:30 起床。昨晩、洗濯物を室内に干していたにも関わらず乾燥していたのだろうか?喉が若干痛い。持参の常備薬を使ってみる。天候は曇天である。こちらに来てからまだ体調を崩したことはないので気を付けなければ。現在、体調不良なし。
7:30 いつも通りカンファレンス開始。土日の分があるので症例は多かった。急患手術も幾つかあったようだが、小外傷で興味深い症例でなかったので、呼ばれなかったのだろう。
8:00 いつもなら教授回診になるのだが、カンファには顔を出していた教授がどこかに行ってしまった。おそらく、今週木曜日から開催される教授主催のドイツ手の外科学会の準備で忙しいのだろう。Rahmanianも対外的な仕事があるらしく、今日は不在だ。彼は仕事が早い(強引?)ので教授からは重宝されているのかも知れない。
8:40 途中からPhau先生もいなくなり、若手二人(StahlとWelling)だけになった。月曜日にしては寂しい回診である。一病棟終わった所で回診を抜け出した。現在、学生は一人だけ(Philip)になってしまった。多い時は4人もいたのだが。このまま学生一人だと、来週からTrauma teamへ派遣させてもらう話は大丈夫なのだろうか?
9:00 本日の手術もflap failureのリカバリー手術である。Sural flapで下腿遠位前内側の軟部組織欠損をカバーした症例だが、flap先端部が部分的に壊死に陥っている。areaはもとの欠損の半分程度を占める。本日は、ALTかGlacilisのfree flapでリカバリーすると言っていた。欠損の状態により判断するそうだ。この手術はtrauma teamと合同で行われた。骨傷は関節内粉砕のあるPilon骨折と第三骨片を伴った腓骨骨折であり、本日は腓骨骨折に対してORIFをしてくれるそうだ。しかし、申し訳ないが、failure rateがちょっと高いような気がする。。。
下腿遠位粉砕骨折(正面).jpg下腿遠位粉砕骨折(側面).jpgsural flap先端部壊死.jpg
9:30 右足関節にtrauma team(Oberartztとassistant)、左大腿部にflap team(Phau医師とJaminet)が配置される。人数が多いので私は外からの見学になった。もう一人trauma teamのPJ(学生)のバングラディッシュ人(産まれはフランクフルト):名前は覚えられなかった・・も一緒に外から見学している。彼の風貌は何となく今香川にいる同門のT君に似ている。背格好や毛深さもそっくりだったので写真を撮らせてもらった。なかなか良く動く彼であった。flapはGlacilisが選択された。どちらでも良かったようだが。。。
T田君に似たバングラ人.jpg
10:30 右腓骨骨折は、MIPOでシンセスのメタフィジアルプレートを用いていた。第三骨片を寄せるのに若干苦労していたが、assistant医師がOberartzt指導のもと問題なく終了した。脛骨天蓋部の骨折はwireを用いてHybrid固定にし直していた。Trauma teamがいなくなって暫くするとWerdin医師が現れ、手洗いを始めた(ちょうど良い時間に現れるのは看護師がPHSで連絡していたためと思われる)。私もassistに入って欲しいということで声をかけられる。いつも思うが、flapの技術を持ち合わせた外傷外科医でないと、一貫した治療方針を立てにくく連携が良くなければ良い結果を得るのは困難なのだ。
11:00 壊死している前回のsural flap先端部を血流の良い所まで除去した後、後脛骨動静脈を展開した。今日は癒着もなくsmoothに露出可能であった。
11:30 flap teamが挙上を終えて休憩に入った。血管同定も大方目途がつきつつある。
Glacillis flap展開中.jpgGlacillis flap挙上中.jpg
12:00 flapを切り離し、早速ヘパリン処置を行ってからマイクロ導入。その間、Jaminetと私は大腿側の閉創をする。今日のmusculocutaneous flapは挙上領域が少なかったので、閉創は容易であった。ドレーンは2ヵ所に留置した。
12:40 暫く、マイクロチームの動きを術野に残ったまま見学していた(あまり術野をじっくり眺めているとマイクロの光源が眩しいので目が痛くなってくる。高倍率のマイクロ程光源の明るさが強いので、時に光源で火傷をすることがあるそうだ)。今日はPhau医師が指導し、Werdinが血管吻合を行っている。ある程度見届けていったん手を下させてもらう。
13:00 Casinoに昼食に向かう。今日はピラフ風のライスにカルボナーラクリームをかけたものだった。ちょっと味が濃かったが、久し振りに当たりだった。
ピラフ+カルボナーラ.jpg
13:40 再び、手術室に戻るとPhau医師がちょうど手を下していた。flapの血管吻合が終了しいったん休憩しているところだ。動静脈1本ずつend to endで縫合したとのこと。現在は皮弁状態良好だそうだ。Phau医師はGlacilisのfree flapは始めてだそうで、皮弁の状態が良いのを見ると、肘90°屈曲位で後ろに引く歓喜のガッツポーズをしていた。この瞬間がやはり嬉しいものなのだろう。
14:00 休憩中なので、隣の手術を覗く。先ほどのバングラ学生が手洗いをして手術に参加している。しかし見ればやはり似ている。。。可笑しくてこちらがにやけてしまう。手術は下腿のプレート抜去であった。動きも面白いので手術内容より彼を観察していた。
14:10 再び、flapの方に戻る。既にマイクロを導入し吻合部を確認している。追加縫合を行っているよう。ここでは、吻合はtightにせず、漏れがあったら追加縫合を入れるというやり方をしているよう。
15:00 だいたい手技も終了したので、お暇させてもらうことにする。始めのうちは良く解らないから色々と興味を持って聞いていたが、最近は質問するのは遠慮がちになっている。聞くのも悪いかなと言うことも時にはあるからだ。そうなると見ているだけの見学は味気ないものになってしまう。やはりある程度症例を経験したら、結局は自分でやってみなければ解らないというものだ。手術室からの移動中、外をふと見てみると小雨がぱらついていた。
15:30 夕方のカンファレンス開始。長期休暇から戻ってきた、Zwick医師、Bratani医師
(ともに女医さん)も元気そうだ。Apelも元気に声をかけてくれる。Bratani医師は、ギリシャに里帰りしてきたのよ、あなたは行ったことある?いい所よ~。とrefreshしてきたのだろう、口調も軽やかである。人間時に骨休めというものは必要である。休んだ後はrefreshされて、たいがいは気合いが入るもの。自分の場合、この研修はrefreshになるのか?、それとも修行なのだろうか・・?どちらともというのが本当なのかも知れない。
16:00 カンファには教授は現れなかった。Nusche先生もいつもの調子で喋っていたが、いそいそと出て行ってしまう。今週は学会のため何となく慌ただしい。
16:30 指のひょう疽の急患が入っているそうだが、ここは知らない振りをしておこう。なかなか自分に興味深い外傷症例はやって来ないものだ。
17:30 今日も明日も留守のRahmanian部屋を自由に使わせてもらった後、帰宅する。
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